1972. Japanese. B2. Rolled. 撮影当時ジャン=ルイ・トランティニャンは40歳。もはや「孤独な青年」などとは言えぬ年齢だ。 クロード・ルルーシュ監督『男と女』やコスタ=ガヴラス監督『Z』などで既に国際的なスターだった。 それにしても『暗殺の森』とは、なんと素晴らしい邦題なのだろう。 1967年に製作されたドキュメンタリー『圧殺の森 高崎経済大学闘争の記録』 のもじりではないか、などと考えるのはくだらないことだと断言する。 たとえそれが事実だとしても。 |
■ベルト「リ」ッチ? 1972年9月に『暗殺の森』は日本で初公開された。ベルトルッチ作品が日本で正式に上映されたのは、これが最初であった。ゆえに配給側(CIC)にも混乱があったものと思われる。名前の表記に間違いがあるのだ。
『暗殺のオペラ』で「光の帝国」を参考にしたストラーロの頭には今回もルネ・マグリットがあった。 |
1998. Japanese Re-release. B2. Rolled. 完全復元版は1998年にユーロスペースで公開された。 トランティニャン要素をバッサリと切り捨て、サンダとサンドレッリのダンス・ショットで押し切った大胆さ。 窓枠の上部に描かれた壁絵まであえて入れて見せたことは素晴らしい。 他国版に引けを取らない見事なデザインである。 |