1951年の発表以来、様々な装丁で出版されて来たアルベルト・モラヴィアの原作。
ルノアールやマグリットの絵画を使用したものなど、豊かなカヴァー・アートを持つものが多いが、
映画化されてからは劇中の場面写真をフィーチャーしたものが一般的になった。

ところで、モラヴィアは映画化された「Il Conformista」を見たのだろうか?




1953年に「SIGNET GIANT BOOKS」より刊行された英訳ペーパーバック。
同時代のパルプ雑誌を思わせるノワールな表紙画はアメリカならでは(作者は不明)。
苦虫を噛み潰したようなマルチェッロもいいが、奥にいる花嫁姿のジュリアが挑戦的で素敵だ。
右写真は裏表紙に掲載された原作者の近影。




80年代のものと思われるイタリアBOMPIANI社刊ペーパーバックの表紙2種。
左は、ルノアール作「シャルルとジョルジュ・デュラン=リュエルの肖像」の部分を使用した第10刷。
右は、映画から削除されたシーン、しかも珍しいスティルを使用した第11刷。




BOMPIANI社から1991年に刊行されたペーパーバック。
物語の設定と同時代である1937年にルネ・マグリットが描いた作品
「複製禁止(エドワード・ジェームズの肖像)」を使用している。
マグリットはベルトルッチのフェイヴァリット画家である。