THE GODFATHER PARTU
『ゴッドファーザーPARTU』(1974年)

1974. International 1 Sheet. 27X41inch. Rolled.

■ポスター、買うべきか買わざるべきか

 誰もが1度は見たことあるであろう名作中の名作『ゴッドファ−ザー』(1972年)。アカデミー作品賞、主演男優賞(マーロン・ブランドの「あの事件」は有名)、脚色賞を受賞。「AFI(アメリカ映画協会)」選出の「最も偉大なアメリカ映画ベスト100」では『市民ケーン』『カサブランカ』に次いで第3位である。小生も大好きな作品だ。文句のつけようのない傑作だ。何度も繰り返し見たし、これからもことあるごとに再見するであろう作品だ。

 では、公開当時のオリジナルポスターを欲しいか、と言われれば「そうでもない」と答える。
 マーロン・ブランドの横顔を赤のイラストで表現したUK1シートならまだしも、タイトルとマリオネットの手元だけのUS1シートには大して魅力を感じないのだ。マーロン・ブランド以下そうそうたる俳優たちが名前を連ねたクレジット部分こそが命、と言われればまあその通り。コレクターたる者、是非とも所有したい1枚では?と訊かれれば確かにそうかもれない。

 しかし、「POSTER-MAN」のポリシーからすれば、やはり「いくら好きな映画だろうが気に入らないデザインのポスターは買わない」ということになる。もちろんこんなのはポスターに対する小生の偏愛ゆえであって、世界中のコレクター諸氏やショップ、ギャラリーが想定・設定する市場価値はそりゃもう大変なモノである。
 それでは、ここにある『ゴッドファーザーPARTU』のインターナショナル版1シート(レイティング表示が無いこと以外はUS版と全く同じデザイン)、何故買ったのか?アル・パチーノのイラストが描かれている分、1作目よりは面白味のあるデザインだ。それに何と言ってもRolledである。ところどころシワがあるものの、折り目の無いヴィンテージポスターは非情に貴重だ。しかも格安だった。だから買った。

 マーロン・ブランドやジェームズ・カーンの名前こそ無いが(ブランドは出てないしカーンはカメオ出演)、『PARTU』には前作には無かった素晴らしい名前がある。ロバート・デ・ニーロはこの映画でアカデミー助演男優賞を獲得した。マーティン・スコセッシ作品『ミーン・ストリート』で注目された直後の大抜擢だった。ここから彼の黄金時代が始まったと言えるだろう。ロバート・デ・ニーロの最も美しい姿が焼き付けられたのが、この『ゴッドファーザーPATRU』というフィルムであると確信する。
 この作品がいかに素晴らしく、前作を凌駕せんばかりの傑作であるということは周知の事実であり(アカデミー賞を6部門も受賞した)、小生に語る余地など残されてはいない。
 ちなみにこの作品、前述した「AFI」のランキングでは32位。