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小笠原デザインの衝撃
1983. Japanese re-release. 51 x 73 cm.
世界中の『気狂いピエロ』の全ポスター中、最もインパクトがあり、最もエッセンシャルで、そして最も美しいのが小笠原正勝デザインによる1983年版ポスターだと断言する。スティルではなく映画本編から抜き出された鮮烈な場面の数々。めくるめくイメージ群が一枚の紙の上に乱舞する。原色が炸裂し、奇妙な人物たちが入り乱れる「万華鏡」のようなこの作品にとってこれ以上の図案はあり得ないだろう。小笠原氏はこの映画から受けた印象を劇画的に再現し、動きのある明朝体でタイトル文字を制作、フランスを象徴させるべくトリコロールに色付けた。主人公フェルディナンがそうだったように、このデザイン全体にもインテリジェントな香りが漂う。 |