RESERVOIR DOGS 『レザボア・ドッグス』(1992年) |
1992. US 1Sheet. 27X40inch. Rolled タイトルの「RESERVOIR」(倉庫、貯蔵室)にかけたのか、ダンボールに印刷されたような演出のポスター。 |
■救世主 タランティーノ「オマージュ」と「パクリ」・・・・そのどちらとも言えない「サンプリング&リミックス」(80年代に登場した音楽スタイル)を映画において実践した最初の成功例ではなかろうか。チョウ・ユンファ出演の香港映画『友は風の彼方に』をベースに、時間の流れ通りに語られない展開はキューブリックの『現金に体を張れ』、男達が互いを色で呼び合う様は『サブウェイ・パニック』、彼らのセリフの端々で聞かれる映画やTVへのオマージュ、全篇を彩る70年代ポップス(相当シブい)・・・・いわゆる「オタク」ならではの情報量とそれを空回りさせずに物語の血や肉とする見事な手腕。そして、大胆な省略と時制の入れ替えがもたらす語り口の妙。題材の枯渇が深刻化しつつあったアメリカ映画界にとってクエンティン・タランティーノは救世主に映ったはずである。 ■フィルム・ノワールで笑う 強盗計画のメンバーに覆面刑事がいたことから疑心暗鬼に駆られ自滅していく男達の悲喜劇。開巻早々マドンナの『ライク・ア・ヴァージン』をネタに展開される彼らのあまりにもな「おしゃべりっぷり」とチップを払うか払わないかで揉める馬鹿さ加減・・・・過去のフィルム・ノワールにあってはならなかったこれら「おバカな」要素と、その後流されることになる大量の血との温度差が凄すぎる。 |
1992. French. 47X63inch. Folded. この映画と言えばやはりこのデザイン。まるでジョン・ウー作品の一場面のようだ。 |
■「仁義なき男たち」 92年のカンヌ映画祭(審査員長はジェラール・ドパルデュー)でその過激さから大変なセンセーションを巻き起こした新感覚ヴァイオレンス映画・・・・と言ったような話題ばかりが先行し、93年に日本公開するや「どれどれ」と駆けつけたところが劇場(渋谷シネマライズ)は大して混んでおらず、目当ての過激なヴァイオレンスもまあそれほどでもなかった(いや凄かったんだけどもっと気絶しそうなものを期待してたもので)。 |
1993. British Quad. 30X40inch. Double-sided. Rolled. チーム全員が揃ったイギリス版ポスター。 |
■ネーミングセンス タランティーノはキャラクターのネーミングセンスが良い。『レザボア・ドッグス』で言えば・・・ |