■本作品はこんなに派手ではありません
チャン・イーモウ&コン・リー第5作目(ちなみにこの後の『活きる』『上海ルージュ』まで全てのイーモウ作品はコン・リー主演である)にして、彼らは新しい映画作りの方法を選ぶ。
現代の農村・地方都市を舞台に、夫の急所を蹴った村長を訴えようと奔走する身重の妻の姿を、コン・リー以外の出演者は全員素人、街中は隠しカメラ、自然光、セット無しという「ヌーヴェルヴァーグ的手法」で映像化。
手持ちカメラも用いたドキュメンタリー風の軽やかな絵の中で、コン・リーは化粧っ気の全くない農家の主婦を堂々と演じ切った。5作目にしてコミカルな演出にも才能を見せ、作家としての幅を広げることに成功した。ベネチア映画祭でグランプリと主演女優賞を受賞。
採用している写真と言い、文字の選び方と言い、いかにも中華風な枠取りと言い、イーモウ作品のポスターに関してはイギリスのデザイナーの方が遥かに優れていると思う。
映画の地味目な内容とは裏腹の極彩色に輝く美麗なポスター。しかしこの写真のコン・リーはチャン・ツィーイーに似ているな。
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