■この顔ぶれ・・・
それにしても凄い面子だ。
クリスチャン・スレイター、パトリシア・アークェット、デニス・ホッパー、クリストファー・ウォーケン、ゲイリー・オールドマン、ブラッド・ピット、ヴァル・キルマー・・・・これだけの顔ぶれが揃ったというだけでこの映画もこのポスターも「買い」である。
『レザボア・ドッグス』効果でタランティーノの処女脚本『トゥルー・ロマンス』はなんとメジャーで映画化されることになった。しかしデメリットもある。メガホンを執ったトニー・スコットのせいでなんとも大味な作品になってしまったのだ。ラストも当然ハッピーエンディングに換えられた(しかしタランティーノ自身は気に入ってOKしたそうだが)。ヴァイオレントで「ストレート・トゥ・ヘル」な血まみれのラヴ・ロマンスは、最終的にハートウォームな不完全燃焼のファンタジーになってしまった印象が残る。
それでもこの映画には魅力的な忘れ難いシーンがいくつもある。G・オールドマンの怪演、D・ホッパーとC・ウォーケンのハイ・テンションなやり取り、ジェームズ・ガンドルフィーニとP・アークェットのファイト、だらしのないB・ピットなど、それぞれの俳優達の持ち味を短時間の出演場面に凝縮させて強烈なインパクトを残しているのだ。
繰り返すが、これだけの面子が火花を散らしているだけでこの映画もこのポスターも「買い」なのである。安っぽいデザインには目をつむろうではないか。
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